従来は誰かが亡くなったら先祖代々のお墓や納骨堂にご遺骨を納める方法が一般的でした。
しかし近年では供養が多様化し、「お墓は高すぎる」「お墓を建てても継承してくれる人がいない」「お墓掃除やお墓詣りなどの管理が大変」などの理由で「お墓はいらない」という方も増えています
しかし、時代は変わってもご遺骨を埋葬、または供養する場所は必要ですね。
そんなお墓に代わる供養方法として、今注目を集めているのが「樹木葬」「散骨」そして「手元供養」です。
しかし、どれも聞いたことはあるものの、具体的な供養の内容、メリット・デメリットは知らないという人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は「樹木葬」「散骨」「手元供養」、それぞれの内容、特徴、魅力、注意点などを解説します!
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樹木葬は石を墓標にする一般的なお墓ではなく、樹木を墓標にする埋葬方法として誕生しました。
しかし、近年ではシンボルツリーやモニュメントの周りに小さめの墓石を配する公園型樹木葬や、イングリッシュガーデンを思わせるおしゃれな園内に作られたガーデン型の樹木葬が一般的となっています。
多くが永代供養付きとなっており、管理・供養は霊園にお任せすることができます。
埋葬方法としては共同のお墓(合葬墓)に埋葬するタイプのほか、個別のお墓に埋葬し一定期間経過後に共同のお墓に埋葬するタイプ、ずっと同じお墓のまま永代供養をしてもらえるタイプがあります。
お参り方法としては個別または共同の礼拝所などが設けられており、手を合わせてお参りができます。
自然に包まれて眠ることができる「自然葬」のひとつですが一般的なお墓の魅力も併せ持っており、近年のお墓の新規建立数No1となるなど人気を博しています。
【樹木葬のお値段】
樹木葬の価格は、埋葬方法や墓石の有無で大きく異なりますが、一般的なお墓よりは安価に設定されています。
理由としては墓石がコンパクトなので使用する石の量が少ない、すぐにまたは一定期間経過後に合葬墓に移されるため省スペースで利用できる、などが挙げられます。
価格の相場は下記の通りです。
・他の方のご遺骨と一緒に埋葬する合葬(合祀)タイプ樹木葬…5~30万円
・墓石を設置しない、またはコンパクトな墓石を設置する一人用の樹木葬…30~50万円
・個別の墓石を設置し、夫婦や家族で眠ることができる樹木葬…50~150万円
・樹木や草花など自然に包まれてゆったりと眠ることが出来る。
・多くが永代供養付きとなっており、お墓を承継して管理をする人がいなくても管理・供養をお任せすることができる。
(継承タイプの樹木葬もあります。)
・多くの樹木葬墓地で、宗教や宗旨宗派を問わず利用することができる。
・墓石を設置しなかったり、ご遺骨を直接埋葬するタイプの樹木葬も多く、一般のお墓より比較的安価で購入できる。
・多くが永代供養付きで、霊園の樹木葬であっても合同供養をしているところが多い。
・公園やガーデンのように美しく整備されているところが多く、お墓参りが楽しくなる。
・自然の山々を生かした里山タイプの樹木葬は交通アクセスが不便な場合が多い。
・骨壺で埋葬せず、さらし布や直接埋葬をする場合は、一度埋葬するとご遺骨が取り出せなくなる。
・契約時に埋葬予定者を登録する必要があり、追加で納骨することができない。
・樹木葬の多くが一定期間経過後にご遺骨を合葬墓に移し永代供養をするシステムとなっている。
・墓石がない場合、冬などは見た目が寂しくなる
散骨というと「遺骨を海に撒く葬送方法」と考えられている人も多いでしょう。
もちろん、それは間違いではありませんが、焼骨をそのまま撒くことは違法であり、散骨の際はご遺骨をパウダー状に粉骨し、周辺環境に配慮して撒かなければいけません。
また、焼骨は発がん性物質である六価クロムが含まれていることが分かっており、無害化処理が必要となるため専門業者に依頼する場合がほとんどです。
散骨の一番の魅力は自然葬の中でも最もスピーディに自然と一つにることができることですが、一方でご遺骨が残らないため、お墓のように「ご遺骨がある場所に手を合わせる」ことはできません。。そのため、残された遺族が寂しさを感じる場合もあるようです。
散骨のプランは主に3つ。船を貸し切ってご家族で見送ることができる「チャーター海洋散骨」や2組以上のご家族と合同で散骨を実施する「合同海洋散骨」、専門業者に散骨をお願いする「委託海洋散骨」があります。
委託海洋散骨の場合はご遺骨をゆうパックなどで送骨できることも少なくなく、遠方にある思い出の海に散骨をすることも可能です。
海洋散骨は墓石や埋葬場所の用意がなく、その後の管理も必要ないため、お墓や納骨堂などに比べて価格が安価になります。
それぞれの散骨プランの相場は下記の通りですが、地域や業者、サービス内容によって異なりますのでホームページなどで確認しましょう。。
●チャーター散骨/30万円~50万円
●合同海洋散骨/18万円~25万円
●委託海洋散骨/5万円~10万円
・散骨してすぐに自然に還ることができる。
・墓石や墓所がなく、管理も必要ないため価格が安価。
・お墓が無いため、墓掃除などもしなくてよく子孫に負担をかけない。
・ご遺骨を特定の場所に残さないので永代供養料や管理費が必要ない。
・海や大地が壮大な墓標となり、自然の中で故人に思いを馳せることができる。
・遺族が自分で散骨できない場合は、専門業者に散骨を委託することもできる。
・ご遺骨を埋葬や安置しないので、行政の手続きなどが必要ない。
・海に撒くので、散骨すると遺骨をもとに戻すことはできない。
・手元にご遺骨が残らないので、手を合わせる明確な場所がなく寂しさを感じる人もいる。
・天候などに左右されやすく、また船酔いなどをする場合は乗船しての散骨が難しい。
・家族や親族に理解してもらえないことも多い。
・条例で散骨を禁止している地域もある。
・周辺地域や環境に配慮して行う必要がある。
・散骨の前に必ず粉骨をしなければいけない。
・焼骨は発がん性物質である六価クロムを含有している場合があるので散骨前に無害化処理が必要となる。
手元供養とはご遺骨の一部または全部をご自宅に安置したり身に着けたりしてご供養する方法です。
ご遺骨を分骨して小さな骨壺に安置する「ミニ骨壺タイプ」、ご遺骨を粉骨してアクセサリーに収納する「遺骨ペンダント」、コンパクトな墓石に分骨したご遺骨を収容し、家の中に置いて毎日お参りできる「自宅墓」などの種類があり、リビングに置いても違和感のないおしゃれなデザインのものも数多く販売されています。
自宅に置いて供養ができるので、いつでも真心こめた供養ができ、価格もお墓に比べると安価で、お墓や樹木葬、散骨などと組み合わせて供養する方も多いようです。
手元供養の平均費用は、3万円から10万円程度と言われていますが、商品内容、デザイン、素材、機能面等によって大きく異なります。
・ミニ骨壺の価格の相場/約5千円~1万5千円ほど
・アクセサリータイプの手元供養価格の相場/約1万円~3万円ほど
・ミニ仏壇タイプの手元供養 価格の相場/3~5万円ほど
・自宅墓タイプの手元供養 価格の相場/10~15万円ほど
●お墓や納骨堂に比べて価格が安価
●自宅で供養ができるので毎日心をこめた供養ができる。
●お墓掃除の手間がかからない。
●お墓参りに行くことができなくても自宅でお参りができる。
●様々な種類があるので、自分らしい供養の形を選ぶことができる。
●自宅にご遺骨を安置するので法律上の手続きが必要ない。
●ご遺骨を安置することに反対する親族もいる。
●お墓などを購入しない場合は残ったご遺骨の埋葬・安置場所の確保が必要となる。
●ペンダントなどに収納する場合は粉骨が必要となることもある。
●手元供養に収納しているご遺骨は、最終的にはどこかへ納める必要がある。
●自宅に安置しているので、自分で責任をもって管理する必要がある。
樹木葬、散骨、手元供養、どちらにもメリット・デメリットがあります。
それぞれのご供養に対する考えやご予算、家族構成などに合わせて、心から納得できるご供養を選んでください。
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